高齢者の避難対策
近年、温暖化などによる影響で、線状降水帯や台風による災害が増えています。
地震なども含め、事前に災害に対する準備をしておきましょう。
避難が必要になった場合は、慌てず速やかに避難することが重要です。
自宅付近の避難場所を把握しておくことはもちろんの事、交通機関がストップしてしまう可能性もあるため、職場付近の避難場所なども把握しておきましょう。
高齢者の避難対策
災害時、高齢者の方はどのような事に気を付けておけばよいのでしょうか。
先ず、普段から心がけておきたいのは、家の中を安全にしておく事。
倒れてきそうな家具は固定し、安全に避難できるよう、出入り口や通路にはなるべく物を置かないようにしましょう。
重い物や、割れやすい物などは、なるべく低い場所に保管しておくと安心です。
非常用持ち出し品の準備
避難時、すぐに持ち出せるよう、必要な物を事前に準備しておきましょう。
両手が使えるよう、リュックなどにまとめておくのが、良いでしょう。
用意しておきたいもの
・水、食料
1~2日分ぐらい 嚥下機能が低下している方は、お粥や介護用のレトルト食品を用意しておきましょう とろみ剤もあると便利です
・持病の薬、お薬手帳のコピー、保険証のコピー
薬は、一週間分あると安心です お薬手帳は忘れずに お薬手帳のコピーは定期的に新しくしておきましょう
・おむつ、尿取りパッド、簡易トイレ、下着
断水してしまう事もあるので、普段おむつを使っていない方も、用意しておくと安心です 下着も1~2日分は用意しておきましょう
・眼鏡
老眼鏡などの予備を入れておきましょう
・歯ブラシ、入れ歯洗浄シート
口腔内のケアは大切です 誤嚥性肺炎やインフルエンザなどの予防
水を節約したいので、マウスウォッシュなどもよいでしょう
・マスク
避難所は人が密集します
・消毒液、ウェットティッシュ
断水や、節水のため、手を洗う事ができない可能性があります 感染症予防
・家族などの連絡先を記載したもの、現金
いつ避難が必要になるかわかりません 家族が常に家にいるとも限らないので、連絡先などは把握しておきましょう
現金は必要最低限 硬貨を多めに持っておけば、公衆電話などに利用できます
避難するタイミング
高齢者は、避難に時間が掛かる可能性があるので、早目に避難することが重要です。
避難が必要になった場合、お住まいになっている各自治体から、避難に関する情報が発令されます。
テレビやラジオ、ウェブサイト、市町村による放送、消防団による呼びかけなど、様々な方法で発令されるので、情報は常にチェックしましょう。
避難情報は、5段階の警戒レベルに区分されています。
警戒レベル1
心構えを高める
警戒レベル2
避難行動の確認
警戒レベル3
危険な場所から高齢者は避難
高齢者だけでなく、小さなお子さんがいる家族、病気やケガ、障害などで避難に時間を要する人は避難しましょう
警戒レベル4
危険な場所から全員避難
安全な場所へ避難しましょう
警戒レベル5
すでに河川の氾濫や土砂崩れ、災害が起きている状況
ただちに身の安全を確保しましょう
高齢者の方は、避難レベル3で避難を始めてください。
これくらい大丈夫だろうと、油断してはいけません。
避難行動要支援者名簿への登録
自力での避難が困難な方は、避難行動支援者名簿に、申請、登録をしておきましょう。
高齢者や障害のある方など、自力での避難が難しい方が、事前に登録しておくことで、災害時、支援者(民生委員、消防機関の方)が、見回りや避難連絡、避難誘導など、避難支援を行ってくれます。
自治体によって、登録できる方の基準が異なるので、登録をご希望の方は、お住まいの各自治体へご相談ください。
避難後に気を付けたいこと
高齢者の方は、生活の環境が急に変わると、体調や精神面に影響が出やすいので、注意が必要です。
避難所では、感染症のリスクや、エコノミー症候群のリスクが高まります。
マスクや、消毒スプレーなどを用意しておくと安心です。
同じ場所にじっとしていると、血栓ができ、エコノミー症候群を発症する可能性があります。
その場の足踏みだけでも、エコノミー症候群の予防になるので、定期的に立ち上がり、できる範囲内での運動をしましょう。
また、認知症の方は、精神的なショックや環境の変化により、症状が悪化してしまう事があります。
なるべく話しかけてあげたり、孤立しないよう、気にかけてあげる事が大切です。
家族の方は、小さな変化に気を付けましょう。
家族での話し合い
地震や台風など、災害はいつ起こるかわかりません。
定期的に、家族で話し合う事が大切です。
避難場所や避難方法、食料や水の備蓄。
連絡が取れなくなった場合の、待ち合わせ場所など、災害が起きた時の心構えは、家族で共有しておきましょう。