老人ホーム紹介

こうしんの介護に関する基礎知識　　地域包括支援センター

2015.10.26

高齢者のよろず相談窓口

皆さん、地域包括支援（ちいきほうかつしえん）センターって何かご存知ですか？

「なにそれ？」

「なにする場所なのか想像もつかない」

地域包括支援センターという単語自体、あまり耳馴染みじゃないと言う方も多いかも知れません。
しかし、この地域包括支援センターは、どこの市町村にも必ずあり、高齢者の方の生活を支える上で、とても重要なものです。

地域包括支援センターは、地域の介護相談の最初の窓口であり、介護や医療、福祉、それぞれの専門家が、様々な相談に乗ってくれる場所です。
高齢者ご本人だけではなく、高齢者を支えるそのご家族や、地域住民の方の相談窓口となっています。

どんな人が相談に乗ってくれるの？

地域包括支援センターの設置主体は市町村です。市町村から委託を受けた社会福祉法人などが運営しています。

地域包括支援センターの職員体制は次の通りです。

○社会福祉士

社会福祉全般に広い知識を持っています。福祉の専門家。

○保健師

健康に関する専門家。医療に関する相談を承っています。

○主任ケアマネージャー

介護保健に関するプロフェッショナル。経験も豊富です。

地域包括支援センターでは、これら、３種の専門家を必ず配置しなければならない決まりになっています。

それぞれの専門家が、様々な相談に乗ってくれるので安心ですね。

具体的にどのような事をしてくれるの？

次に、地域包括支援センターの業務内容を見てみましょう。
大きく分けて４つあります。

○総合相談

上で説明した通り、よろずの相談に乗ってくれます。介護だけでなく、医療、福祉など、その他様々な相談に乗ってくれます。

○権利擁護

皆さんが「安心して暮らす権利」を守るお手伝いをしてくれます。財産管理に不安のある方へ対する、成年後見制度などの活用、高齢者虐待の予防や早期発見、「オレオレ詐欺」の電話が掛かって来た時どうすればいいのかなどの相談、介護の負担を背負っている家族の方などの相談にも乗ってくれます。

○介護予防ケアマネジメント

要支援１・２の方のケアプランを作成します。要介護にならないための介護予防をプロデュースしてくれます。
介護予防に興味がありましたら、要支援ではない高齢者の方も相談に行くと良いでしょう。介護予防教室など、要支援じゃない方でも利用できるサービスの紹介もしてくれます。

○包括的・継続的ケアマネジメント

何やら難しそうな業務ですが、簡単に言うと、地域の高齢者の方が、住み慣れたその場所でずっと暮らせるよう、高齢者一人ひとりの心身の状態、生活環境の変化における様々な問題の解決のため、様々な機関と協力し、その生活のサポートを包括的かつ継続的に行っていこうというものです。

地域包括支援センターでは様々な相談に乗ってくれるのだという事がわかって頂けましたでしょうか。

地域包括支援センターに行ってみよう！

地域包括支援センターは、各地域に設置されている事が多いです。市役所などに行くと、お住まいの近くにある地域包括支援センターを紹介してもらえます。
意外と、家の近所にあったりするかも知れません。先ずはお近くの地域包括支援センターがどこにあるのか把握しましょう。

地域包括支援センターはワンストップ相談窓口です。介護が必要になった高齢者の方が、市役所などに相談に行くと、様々な窓口をたらい回しにされる事があります。役所にはよくある事ですね。
その点、地域包括支援センターでは、介護を受けるために何をすればいいのか、どんなサービスを受けられるのか、それぞれの専門家が的確にアドバイスしてくれます。
たらい回しにされる心配はありません。

また、
「近所で一人暮らしをしているおじいちゃんがいるけど、姿を最近見ないので心配だ」

「隣に住んでいる人が、一緒に暮らしているおばあちゃんに怒鳴っている声をよく聞く。もしかして虐待？」

　　　　　　　　
この様に、近所に高齢者が住んでいる方の相談などにも乗ってくれます。
相談など全て無料なので、安心して利用しましょう。

市町村によっては、地域包括支援センターではなく、「高齢者支援センター」などと呼ばれている所もあるようです。
高齢者支援センターという呼び名の方が、どういう機関なのかわかりやすいですね。
高齢者の生活をサポートする上で、地域包括支援センターは重要なものですが、あまり知名度が無いようです。それが弱点かも知れません。

地域包括支援センターというものがどういったものなのか、また、そんな機関があったのだと初めて知った方もいるのではないでしょうか。

高齢者の方に関する事で、何か「困ったな」という事があれば、お近くの地域包括支援センターへ相談に行きましょう。