こうしんの介護保険入門 1割負担?2割負担?
要介護認定を受け、その認定により通知された要介護度などを基にケアプランを作成すれば、介護保険サービスを利用する事ができます。
ホームヘルパーやデイサービス、車いすなどの福祉用具のレンタルやショートステイなど、様々なサービスを利用する事ができます。
利用者のサービス料の負担額は、要介護度の区分により定められている限度額内であれば、サービス料の1割です。
つまり、例えば月に1000円分のサービスを利用した場合は、その1割、100円を負担すればよいと言うことです。
しかしここで注意したいのが、介護保険サービスは誰しもが1割負担で利用できるわけでは無いという事。
どういう事?
実は、介護保険制度の改正により、2015年の8月より、ある一定の収入がある利用者は2割負担となってしまったのです。
なぜ?
介護保険の利用者は増加し続け、介護保険制度がスタートして10年あまりで、介護費用はおよそ3倍までに増加しました。今後、更なる費用の増加が予想され、このままでは介護保険制度が破綻してしまう恐れがあります。
介護保険制度を存続させるためには、このような改正をせざるを得なかったのですね。
対象者となる基本的な条件として「本人の年間所得が160万円以上」であることと定められています。
そのため、年間所得が160万円未満の方は、1割負担で介護保険サービスを利用することができます。所得が160万円未満の方は2割負担となる事はないという事です。
しかし、所得が160万円以上の方全てが2割負担となる訳でもありません。
そして、この160万円という線引きが関わってくるのは、二人以上の世帯の場合です。
少しややこしいですね。
単身世帯の場合 「年間合計所得が280万円以上の人が2割負担の対象」
ケース1
年金収入のみで280万円以上ある人 2割負担
ケース2
給与所得+年金収入=280万円以上の人 2割負担
例:給与所得170万円+年金収入125万円=合計所得295万円
合計所得が280万円以上となるので2割負担になります。
ケース3
給与所得+年金収入=280万円未満の人 1割負担
例:給与所得180万円+年金収入90万円=合計所得270万円
この場合、年間所得が160万円以上ですが、合計所得が280万円未満となるため1割負担となります。
計算式などを出されると何やら少し難しく感じますが、要するに単身世帯の場合は、年収が280万円以上あると、介護保険の利用者負担が2割となります。
収入により、1割負担になるのか2割負担になるのかが変わってくるということは理解して頂けたでしょうか。
厚生労働省の試算では、65歳以上の被保険者のうち、所得上位20%の人が対象となっているようです。
次に、2人以上の世帯(夫婦世帯など)ではどうなるのかを見てみましょう。
また少しややこしいのですが、ポイントは「世帯所得」と「個人所得」です。
2人以上の世帯の場合 「個人の年間所得が160万円以上で世帯の年間所得が346万円以上の人が2割負担の対象」
ケース1
世帯主の年金収入160万円以上+配偶者の年金収入160万円未満=346万円以上
世帯主 2割負担 配偶者 1割負担
例:夫の年金収入280万円+妻の年金収入100万円=世帯年間所得380万円
この場合、世帯収入が346万円以上となりますが、世帯主の年間所得が160万円以上なので、夫は2割負担。しかし配偶者の年間所得は160万円未満なので、妻は1割負担となります。
ケース2
世帯主の年金収入160万円以上+配偶者の年金収入160万円以上=346万円以上
世帯主 2割負担 配偶者 2割負担
例:夫の年金収入190万円+妻の年金収入170万円=世帯年間所得360万円
この場合、世帯収入が346万円以上で、世帯主、配偶者共に年間所得が160万円以上であるため、夫も妻も2割負担となります。
2人以上の世帯の場合(夫婦世帯など)、夫の年金収入が単身世帯のボーダーである280万円以上あったとしても、世帯での年間所得が346万円未満であれば、夫婦共に1割負担となります。
なんだかとてもややこしいですよね。
簡単に言うと、世帯での年間所得がボーダーである346万円以上であったとしても、個人での収入が160万円未満であれば2割負担にはならないと言うことです。
逆に言うと、個人での収入が160万円以上であっても、世帯全体での収入が346万円未満であれば、世帯主、配偶者共に1割負担のままと言う訳です。
3割負担の対象者
次に、3割負担の対象者ですが、合計所得金額が220万円以上で、年金収入と、その他の合計所得の合計が、単身で340万円を超えた方が対象となります。
二人以上の世帯では、463万円以上の方が対象となります。
この、3割負担の対象者は、利用者全体の3%だと推定されています。
3%しかいないのか~ 少ないな と思われるかも知れませんが、約12万人の方が対象となるようです。それだけ、介護保険の利用者が多いという事なのですね。
このように、収入によって負担額を増やしていかなければ、日本の介護保険制度というものは、成り立たなくなっているのです。
3割負担の対象者の方は、かなり費用が掛かってしまいますが、介護保険には、高額介護サービス費というものがあり、所得の区分により、それぞれ負担の上限額が設けられています。
例えば、年収が約770万円未満の方は、月額44,400円(世帯)が負担の上限となります。
この、高額介護サービス費に関しては別の記事で詳しく解説したいと思います。
どうでしょう。
あなたは2割負担の対象者だったでしょうか。1割負担の対象者だったでしょうか。
よく分からないという方もいるとは思いますが、要介護認定を受けた際に、負担割合証というものが送られてくるので、自分は何割負担をすればよいのかをよく確認しておきましょう。
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