春の体調不良に注意!

季節の変わり目となる春、暖かく過ごしやすい日が増えてきますが、日によっては寒暖差も激しく、3月に雪が降ることも少なくありません。
また、昼と夜との寒暖差も激しく、風邪を引く人も多い季節となります。
春は暖かく桜の季節。
そして、新生活が始まる新しい季節でもあります。
ついつい心は浮かれてしまいますが、気温の変化や心の変化が大きく、体調を崩しやすい時期でもあります。
春の風邪にはもちろん気を付けたい所ですが、何となく身体がだるい、やる気が出ない、食欲がないなど、風邪ではないけど、いまいち調子が出ないなと感じる人は、もしかしたら「春バテ」かも知れません。
春バテ
春バテの主な症状は
・身体がだるい
・寝つきが悪い
・目覚めが悪い
・めまい
・やる気が出ない
・仕事や勉強に集中できない
・イライラする
・食欲がない
などです
熱が出る、咳が出るなどの明確な症状はありませんが、なんとなく体調が悪いなと感じたら、春バテの可能性があるので注意しましょう。
春バテの主な原因は、自律神経の乱れだと言われています。
自律神経とは
自律神経は、交感神経と副交感神経とで成り立っています。
交感神経
活動するときに働く神経
日中、活発に活動している時に働いていています
心拍数や血圧を上げ、心身の活動力を高めてくれます
副交感神経
休んでいる時に働く神経
寝ている時やリラックスしている時に働く神経です
心拍数を下げ、血圧を落ち着かせ、リラックスさせてくれます
交感神経と副交感神経で成り立っている自律神経は、内臓や血管などの働きを24時間、休まず調整してくれるシステムです。
交感神経と副交感神経は、どちらかが、オン・オフとスイッチが完全に切り替わっているわけではなく、シーソーのようにバランスを取りながら働き、体調を管理しています。
この二つの神経がバランスよく働くことで、日々の体調を一定に保つことができるのです。
春バテの原因
春バテの原因は、自律神経の乱れによるものと考えられています。
1寒暖差
春は寒暖差の激しい季節です。昨日は上着が要らなかったのに、今日は雪が降っている、昼間は暑いくらいなのに、夜は肌寒いなど、一日ごと、または一日の中でも気温がかなり変化します。そんな寒暖差の激しい中、自律神経は、体温を一定に保とうとするため、交感神経が優位に働く時間が多くなり、自律神経が乱れてしまいます。
2気圧の変化
春は気圧の変化が激しい季節です。
気圧の変化により、身体は様々な影響を受けます。
低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わるため、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいきません。
3生活環境の変化
春は、新学期が始まります。進学や就職、部署異動など、環境の変化が多い季節です。
緊張や興奮、ストレスなど、精神的にも変化や負担が多くなるので、色々考えてしまって家でもリラックスできなかったりと、交感神経が優位に働く時間が増えてしまいます。
寒暖差や環境の変化などでストレスがかかると、交感神経が活発になります。
交感神経の働きが強くなると、血管が収縮し、心拍数が増え、呼吸が浅く速くなるため、身体は疲れやだるさを感じやすくなります。
このように、春は気温や気圧の変化、生活環境の変化などに身体や心がついて行かず、交感神経が活発になる時間が増えることで、体調を崩してしまうのですね。
高齢者は春バテになりやすい?
高齢になると、身体の様々な機能が低下します。
それは、自律神経も例外ではありません。
身体に負担がかかりやすい春は、高齢者の方は特に体調を崩しやすいので注意が必要です。
また、高齢者の方は、体調が優れなくても我慢してしまったり、反応が鈍くなるので、対応が遅れてしまったりと、春バテが長引き、身体への負担が大きくなってしまう事があります。
家族など、周りにいる人が変化に気づいてあげることが重要です。
春バテが長引くと、低栄養や脱水、めまいによる転倒で、骨折の危険性もあるので、高齢者の春バテには、特に注意が必要です。
春バテ予防
春バテを予防するためには、自律神経を整え、交感神経と副交感神経の切り替えを正常に保つ事が重要です。
春バテは、交感神経の働きが活発になりすぎている事が原因なので、副交感神経の働きを高める事が、春バテ予防には効果的です。
1食事は3食
朝昼晩と、バランスよい食事を心がけることが春バテ予防には効果的です。
特に、ビタミン、カルシウム、タンパク質(トリプトファン)を意識して摂取しましょう。
ビタミン
血行促進、疲労回復、抵抗力の向上
肉や魚
豚肉、鶏肉、うなぎ、かつお、まぐろ、卵など
野菜、果物
人参、ほうれん草、ブロッコリー、柑橘類、イチゴなど
カルシウム
イライラの解消、骨を強くする
乳製品
牛乳、チーズ、ヨーグルトなど
魚
魚全般 ししゃも、しらす、ワカサギなど、骨ごと食べられる魚は、特にカルシウムが豊富です。
野菜
小松菜、モロヘイヤ、いり胡麻など
タンパク質(トリプトファン)
タンパク質に多く含まれるトリプトファンは、気分を落ち着かせたり、精神を安定させる効果があります。
乳製品
牛乳、チーズ、ヨーグルトなど
大豆製品
豆腐、納豆、味噌、醤油など
魚
まぐろ、かつおなど
2適度な運動
習慣的に軽めの運動をすることで、筋肉量が増え代謝がよくなり、体温が上がりやすくなります。
散歩や軽めのジョギングなどで、ストレスを発散することができ、リラックスできます。
3入浴
入浴は血行がよくなり、副交感神経の働きを高めます。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かる事で、リラックスできます。
入浴剤を使用するのもいいでしょう。
4質の良い睡眠
夜更かしをせず、なるべく毎日同じ睡眠時間を確保しましょう。
最低6時間はゆっくり寝ることで、副交感神経の働きを高め、自律神経を正常に保つ事ができます。
5寒暖差対策
春は暖かいイメージがありますが、昼と夜の寒暖差が激しく、昼は汗ばむ陽気でも、夜は肌寒くなったりします。
体を冷やさないように、夜は上着を羽織るなど、寒さ対策を心がけましょう。
自律神経の働きを正常に保つためには、バランスの良い食事や睡眠、適度な運動など、規則正しい生活を心がけることが重要です。
お花見やピクニックなど、外で過ごす機会も多くなる季節です。寒暖差が激しい中、体を冷やさないよう、注意しましょう。
春は暖かく、一年を通しても過ごしやすそうな季節ですが、実は体調を崩しやすい季節でもあるのですね。
暖かくなったからと油断せず、体調管理をきちんとし、桜の季節を楽しみましょう。