老人ホーム紹介

こうしんの介護保険入門　　住所地特例とは

2017.10.15

他の市町村への引っ越し

介護保険における保険者は、住民票のある市町村となっています。
そのため、今住んでいる市町村以外へ引っ越す場合、引っ越し先の市町村に住民票も異動させる事になりますので、保険者も引っ越した先の市町村となります。

　　　　　　　　

例
東京都小平市から三鷹市へ引っ越した場合

介護保険における保険者は
小平市　　→　　三鷹市　　へと変わります。

保険者が小平市から三鷹市となるため、介護保険料は三鷹市へ納めることとなります。

原則として、住民票がある市町村が保険者となり、その市町村へ保険料を納める決まりとなっています（住所地主義）。

しかし、これでは、介護保険施設や有料老人ホームなどの特定施設が多い地域へ高齢者の方が集まりやすくなり、その分、その地域の介護保険の費用負担が多くなってしまいます。

　　　

介護保険の財源は？
　　
　　

そういった地域の格差を減らすために「住所地特例」という制度が設けられています。

介護保険における保険者とは

住所地特例

住所地特例という制度は、自宅から、別の市町村の特養などの施設へ入所した場合、その特養がある市町村に住民票を異動したとしても、移転前の市町村がそのまま保険者になるというもの。

例
東京都小平市の自宅から、三鷹市の特養へ入所し、特養の所在地へ住民票を異動した場合

小平市の自宅　　→　　三鷹市の特養　　への引っ越しとなるのですが、保険者は今まで通り小平市となります。

このように、特養などの介護施設への入所の場合、別の市町村の施設へ住民票を異動したとしても、元々住んでいた市町村がそのまま保険者となります。
そのため、介護保険料は今まで通り小平市に納める必要があります。
※住民税は三鷹市に納めます

では、更に別の市町村の有料老人ホームへ移った場合はどうなるのでしょう。

小平市の自宅　→　三鷹市の特養　→　小金井市の介護付有料老人ホーム　へ引っ越した場合

住民票は小金井市に異動となりますが、保険者は小平市のままです。

特別養護老人ホームとは

住所地特例が認められる条件
65歳以上、40歳以上65歳未満の医療保険加入者の方が、住所地特例の対象施設に入所した場合

住所地特例の対象施設

介護保険施設
・介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）※定員30名未満は除く
・介護老人保健施設
・介護療養型医療施設

特定施設
・介護付有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・軽費老人ホーム
・養護老人ホーム

住宅型有料老人ホームって？

有料老人ホーム入門

その他
サービス付き高齢者向け住宅

サ高住が住所地特例となる条件　2015年改正前
・特定施設入居者生活介護の指定を受けている場合
　・有料老人ホームに該当するサービス（介護・家事・食事・健康管理のいずれか）を提供している
　・契約形態が利用権方式

ほとんどのサ高住が対象となっていませんでした

2015年４月以降　改正後
食事や介護など有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅について、住所地特例の対象となる

ほとんどのサ高住が対象となりました
※安否確認と生活相談サービスだけのサ高住は対象外

サービス付き高齢者向け住宅とは

　　　

住所地特例が認められるのは、対象となる施設へ入所した場合のみなのですね。

それではこの様な場合、保険者は何市になるのでしょう。

例
小平市の自宅　→　西東京市のグループホーム　→　三鷹市の特養

この場合は、西東京市が保険者となります。

グループホームって？

グループホームは、住所地特例の対象施設ではなく、グループホームに入居するためには、その市町村の被保険者になる必要があるためです。

被保険者とは

例
１人で生活する事が困難になり、小平市の自宅から国分寺市にある息子の自宅で、在宅介護を受けながら生活することになりました。しかし、息子に迷惑がかかると、翌年、小金井市の有料老人ホームへ入居することにしました。

小平市の自宅　→　国分寺市の息子の家　→　小金井市の介護付有料老人ホーム

この場合の保険者は国分寺市ですね。
在宅の場合は、そもそも施設ではないので、住所地特例の対象とはなりません。